【World Topics】米カルフォルニア州ブランドのジェネリックが登場
公開日時 2020/01/21 04:52
カリフォルニア州知事Gavin Newsomは1月10日、2020年9月から始まる新年度の予算案を発表した。高騰する医療費支出を抑制する一助として、CalRx Generic Drug Programを立ち上げ、州の独自ブランドのジェネリック処方薬を発売するとの考えを示し、全米の注目を集めている。
https://www.gov.ca.gov/2020/01/10/governor-newsom-proposes-2020-21-state-budget/
実現すれば全米初の試みとなる企画は、州政府がジェネリック製薬企業と直接に提携して製造した州ブランド薬を約4000万の州民向けに発売するというもの。製造対象とするのはすでに全米で流通していて実績と定評のあるジェネリックで、かつ需要(消費)の多い医薬品だ。
ジェネリック製造メーカーは概ね歓迎の意向を示しているが、製薬大手は目下コメントを差し控えている。
独自ブランド薬製造には行政の取り組みとしては前例がない。が、同様の試みとしてすぐに想起されるのは、2018年9月に全米40の大手病院チェーン(全米46州で合わせて1000以上の病院を展開)がNPOのコンソーシアムを組んで立ち上げたジェネリック製造のベンチャー事業CivicaRxである。医薬品コストの抑制とともに、しばしば品切れを起こすなど流通の不安定なジェネリック薬をメンバー医療機関に対し安定的に供給することをめざして設立された。
https://civicarx.org
CivicaRxは、初のブランド薬バンコマイシン塩酸塩USPが2019年10月に注射用のユタ州の病院で使用されたのを皮切りに、2019年12月までに数種の注射薬の配送を開始しており、まったく新しいビジネスモデルとして注目を集めている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
https://mk0sakunexoeoby9gsa0.kinstacdn.com/wp-content/uploads/2019/10/Civica-Rx-PR-October-2-2019.pdf