「私たちはどうやったら患者の役に立てるのか?」
“限界病院”著者から医療関係者への重い問い
公開日時 2019/12/28 00:00
作家久間十義さん「私たちはどうやったら病気の人々の役に立てるのか?」――。院長が手紙を通じて、若い医師に問いかける。深刻な財政危機を抱える病院の人間ドラマを描いた小説「限界病院」のなかでの1シーンだ。原作者の久間十義さんは、「医療を施す人に対してこうであってほしいという願望を込めたシーンだ」と話す。病院経営、薬の売上、診療報酬の行方…。仕事をしていると、こうした目の前の課題を前に視野が狭くなってしまいがちだが、小説では、医療はどうあるべきかという根源的な問いを突き付けている。年の初めだからこそ考えたい。(岡山友美)〔著者略歴〕北海道生まれ早稲田大学文学部仏文科卒。1987年、「マネーゲーム」で文藝賞佳作入選しデビュー。ポストモダン文学の旗手として注目を集める。1990年、『世紀...