遺伝子パネル検査が治療に結びついた患者は1割 厚労省検討会
公開日時 2019/12/06 04:50
遺伝子パネル検査が治療に結びついた患者は10.9%―。厚生労働省は12月5日、がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議に、遺伝子パネル調査の実施状況などを調査した結果を報告した。プレシジョン・メディシンの実現が重視されるなかで、今年6月に保険収載された遺伝子パネル検査に期待が寄せられている。一方で、遺伝子変異に合致した治療薬がないことも指摘されている。調査結果はこうした現状が浮き彫りになった結果と言えそうだ。
調査は、がんゲノム医療中核拠点病院など167施設を対象に、メールで実施。調査期間は11月6~22日までで、134施設から回答を得た。
保険診療上、調査期間(11月22日)までに遺伝子パネル検査を実施しているのは79施設で、11施設あるがんゲノム医療中核拠点病院すべてが検査をスタートさせていた。調査以降(11月23日以降)に開始を予定していたのは41施設だった。一方、未定との回答は14施設。いずれもがんゲノム医療連携病院で、「システム的な要因による院内の体制整備」(6施設)や、「中核・拠点病院の都合」(5施設)などの理由があがった。
◎C-CATへのデータ登録は99.3%に
保険収載後、10月31日までに、遺伝子パネル検査を実施したのは62施設で、合計805件の遺伝子パネル検査が実施された。このうち遺伝子パネル検査が治療に結びついた患者は、88人(10.9%)だった。がんゲノム情報管理センター(C-CAT)へのデータの登録や登録されたデータの二次利用に同意した患者は799人(99.3%)だった。
石岡千加史構成員は(日本臨床腫瘍学会理事長)「地域格差などにより、調査対象の病院にアクセスできる患者そのものが限られている。全国がん登録や人口などもみて遺伝子パネル検査の普及率を調べるべきだ」と指摘した。厚労省では今後、少なくとも年1回のペースで、月別の実施件数などについて調査を行う予定。
◎製薬協・中山会長 データ利活用で「早期から製薬業界の意見を」
このほか同日の会議では、データの利活用や、がん全ゲノム解析の推進に向けた計画(
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データの利活用について、中山讓治構成員(日本製薬工業協会会長)は、「新薬の臨床試験や申請を睨んでどういうデータの使い方をするかなど、早い段階から企業側に意見を聞く場をしっかり設けてほしい」と訴えた。