イドルシア社 国内P2の不眠症薬で持田と契約締結 営業部門構築へ
公開日時 2019/12/06 04:50
スイスのイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパンは12月5日、日本で開発中の不眠症治療薬ダリドレキサント(一般名、開発コード:ACT-541468)について、持田製薬と共同開発・共同販売するライセンス契約を締結したと発表した。
開発が成功し、日本で承認を取得した場合はイドルシアも日本で同剤を販売する計画。イドルシアは本誌取材に、「いずれMRを採用し、営業部門を設ける。全国規模で頑張っていきたい」と述べた。
今回のライセンス契約により、持田は契約一時金として10億円を支払うほか、今後の開発の進展などに応じたマイルストンと、販売額に応じたマイルストン及びロイヤリティも支払う。イドルシアが日本で、不眠症(関連疾患を含む)以外の疾患に関する同剤の開発・事業化について提携を希望する場合、持田に優先交渉権が与えられる。
イドルシアは今回、持田をパートナー企業に選んだ理由について、「不眠症患者の大部分に処方している中枢神経系および内科系開業医との強い関係を築いている」ことなどを挙げている。ダリドレキサントはデュアルオレキシン受容体拮抗薬で、オレキシン受容体の2種のサブタイプのOX1RおよびOX2Rに対し拮抗作用を持つ。
イドルシアは、低分子化合物の発見と開発に特化した製薬企業。本社をスイスのバーゼルに置く。日本法人は2018年に設立。ターゲット疾患として▽くも膜下出血に伴う脳血管攣縮▽ファブリー病▽睡眠障害▽治療抵抗性高血圧症▽全身性エリテマトーデス――を挙げている。