中医協検証部会 病院のフォーミュラリー導入は8.2% 薬剤別ではPPIがトップ
公開日時 2019/11/18 03:52
中医協診療報酬改定結果検証部会は11月15日、後発品の使用促進策の影響などに関する調査結果を報告した。病院においてフォーミュラリーを定めているとの回答は8.2%だった。ただ、「今後予定している」は10.1%で、病床規模別にみると500床以上で多いことが分かった。また医療施設における医薬品の備蓄状況を調べたところ、病院の59.8%でバイオ後続品を備蓄しており、備蓄品目数は平均3.1品目となっていることも分かった。
調査では、有効性や安全性、費用対効果などを踏まえて作成された採用医薬品リスト(フォーミュラリー)の導入状況を調査した。306病院から回答を得た。それによるとフォーミュラリーを導入している病院は回答の8.2%を占めた。病床規模別にみると、500床以上が18.8%(n=16病院)、200~299床が14.3%(n=49病院)となった。
◎フォーミュラリー PPI、HMG-CoA還元酵素阻害薬、H2遮断薬で導入割合高く
フォーミュラリーを薬剤種類別でみると、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の経口剤が30.4%で、「今後定める予定」の41.1%と合わせると7割を超えることが分かった。このほかHMG-CoA還元酵素阻害薬は19.6%がすでにフォーミュラリー化されており、「予定あり」の35.7%を合わせると5割強に及ぶ。H2遮断薬も23.2%がフォーミュラリー化されており、こちらも同様に「予定あり」の21.4%を加えると4割強がリスト化される可能性が示唆された。
◎病院でのバイオ後続品の採用 5割越え
バイオ後続品の採用理由についても調査した。それによると、「薬の種類によって積極的に採用」が42.5%と最も多く、「バイオ後続品が発売されているものは積極的に採用」と合わせると55.9%(n=306病院)だった。一方でバイオ後続品を積極的に採用しない理由としては、「診療科からの要望がないから」が 56.3%と最も高かった。バイオ後続品については、59.8%(n=107病院)で備蓄していることも分かった。備蓄品目数をみると、「DPC対象病院+DPC準備病院」で3.7品目、出来高算定病院で2.2品目だった。
このほか保険薬局の45.7%でバイオ後続品を備蓄しており、備蓄品目数は平均1.3品目だった。