塩野義製薬 UMNファーマをTOBで完全子会社化へ ワクチン事業強化に本腰
公開日時 2019/10/31 03:50
塩野義製薬は10月30日、ワクチン開発を手掛けるUMNファーマ(本社:秋田県秋田市)を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。同日の取締役会で決議した。同日の会見で塩野義製薬の手代木功社長は、「非常に面白く、強い技術基盤をもつ会社だ」と意義を強調した。予防、診断、治療のための感染症パイプラインを充実していくなかで、ワクチン事業に本格的に参入するための新たな創薬基盤の拡大につなげたい考え。
塩野義製薬は現時点でUMNファーマ社発行済み株数31.08%を保有しているが、ワクチン開発を本格的に進めるために完全子会社化を決めた。TOB価格は1株あたり540円で、買い付け期間は10月31日から12月12日。買い付け代金は約66億円を想定している。
UMNファーマも同日、平野達義会長兼社長名で塩野義製薬によるTOBに賛同すると同社ホームページ上で表明した。UMNファーマは、バイオ医薬品の研究・開発・製造・販売を事業内容として2004年に設立。以前には、細胞培養のインフルエンザワクチンの開発に向けてアステラス製薬と契約を結んだが、開発を断念したなどの経緯がある。塩野義とは2017年に資本業務提携を結び、関係を深めていた。