大正製薬 SGLT2阻害薬ルセフィ 20年1月から単独販売へ ノバルティスとの販売提携終了
公開日時 2019/10/31 03:50
大正製薬は10月30日、2型糖尿病治療に用いるSGLT2阻害薬ルセフィ錠(一般名:ルセオグリフロジン水和物)について、ノバルティスファーマとの販売提携契約を12月末で終了すると発表した。20年1月から大正単独で販売・情報提供活動を行う。「今後の販売方針について両社で協議した結果」としている。大正の19年度の同剤の売上計画は67億円。
同剤は大正の創製品。糖尿病領域に新規参入となるため、同領域で経験豊富なノバルティスと2014年5月から共同販売してきた。大正広報部は本誌取材に、「提携したこの5年間に、糖尿病領域のノウハウや人脈を構築することができた。今後もノウハウなどを活かして当社単独でやっていく」と述べた。大正とノバルティスは協力して円滑な移管を進める。
ノバルティスは2型糖尿病治療に用いるDPP-4阻害薬エクアファミリー(単剤及び配合剤)について、大日本住友製薬との共同販促を7月から開始し、11月からは大日本住友が販売・流通も担当する。製造販売承認は引き続きノバルティスが持つ。
ルセフィの販売も年内で終了するため、ノバルティスの糖尿病領域の事業方針も気になるところ。この点についてノバルティス広報部は本誌取材に、グローバルの研究開発を含む重点領域のひとつに循環器・腎臓・代謝領域を位置づけているとした上で、「代謝領域は重点領域であり、日本でも必要に応じて製品を手掛けていく」とコメントした。現時点では20年以降、日本で扱う糖尿病治療薬はエクアファミリーのみとなる。