自民党・人生100年時代戦略本部 全世代型社会保障制度改革で議論開始 医師会などから意見聴取へ
公開日時 2019/09/25 03:50
自民党は9月24日、人生100年時代戦略本部(本部長:岸田文雄政調会長)の会合を開き、「全世代型社会保障制度改革」の議論をスタートさせた。政府が9月20日に全世代型社会保障検討会議を発足させたことを受けたもの。会議冒頭で、岸田本部長は、「大きなリスクを皆で支えて乗り越えることが社会保障の原点。原点に立ち戻り、自助、公助、共助のバランス等についてもしっかり考えていただき、持続可能性を大事にしていただきたい」と述べた。今後は日本医師会など、医療関係団体や医療・介護現場の担当者をはじめ、国民の意見を幅広く聞き、意見を集約する考え。12月を目途に党としての提言を取りまとめ、政府が年内にも取りまとめる中間報告に反映させる方針。
高齢化が進むなかで、人生100年時代の到来を見据え、年金、医療、介護、労働など社会保障全般にわたる持続可能な改革の必要性が高まっている。9月20日には、政府が全世代型社会保障検討会議の初会合を開き、給付と負担の議論も火ぶたが切られた。一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金の見直しや公的年金の受給開始年齢の上限引き上げ、医薬品の適用範囲を含めた給付などが焦点となることが想定される。
この日の会議冒頭で、岸田氏は、「2022年から段階世代が75歳以上になる。私たちに残された時間はあまりないという危機感をもって、しっかり議論をお願いしたい」と述べた。重視するのは、①在職老齢年年金制度の見直しを含めた就労しやすい社会を構築、②年金受給年齢の引上げなどを含めた、個性や多様性の尊重、③持続可能性―を“3つの原則”に掲げた。
今後は、医療・介護関係者や、労働者、若年層や女性などのヒアリングを実施。社会保障制度調査会、雇用調査会、財政再建本部などで議論を吸い上げ、人生100年時代戦略本部で意見を取りまとめる方針だ。