米FDA 骨髄線維症にJAK阻害剤Inrebicを承認
公開日時 2019/08/28 03:50
米食品医薬品局(FDA)は8月16日、米Impact Biomedicines, Inc社の骨髄線維症治療薬Inrebic(フェドラチニブ)カプセルを承認した。同剤はJAK(ヤヌスキナーゼ)2阻害剤で、適応は、成人における原発性および続発性骨髄線維症。
骨髄線維症に対するFDA承認既存薬は、2011年に承認された、ノバルティスのJAK1/2阻害薬Jakafi(リキソリチニブ)のみで、同剤の上市が待たれていた。米FDAは、Inrebicに対して、優先審査および希少疾病薬の指定を行っていた。
同剤の投与により、チアミン(ビタミンB1 )欠乏によるウエルニッケ脳症を含む、重篤かつ致命的な脳症のリスクがあるため黒枠警告で注意喚起された。医療従事者には、Inbrec投与開始時に全患者にチアミン値を測定することを義務付け、異常が見られれば休薬することを推奨した。
同剤承認申請企業のImpact Biomedicines, Inc社は、米セルジーン社の子会社。セルジーン社のJay Backstorm最高医学責任者(CMO)は、「我々は、Inrebicを前治療でリキソリチニブを使っていた患者を含め、骨髄線維症患者で使用される可能性のある新規治療選択肢として提供できることにワクワクしている」と話している。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍研究拠点センター長兼血液・腫瘍製品部長代理は、「FDAは、すべての患者が同じように反応するわけではないので、希少疾患の患者には代替療法を提供できるように開発を促している」とコメントした。