協和キリン デパケンR錠100mgのPTP包装 8000万錠自主回収 溶出規格外で
公開日時 2019/07/09 03:52
協和キリンは7月8日、てんかんなどに用いるデパケンR錠100mg(一般名:バルプロ酸ナトリウム徐放錠)のPTP包装品について約8000万錠を自主回収すると発表した。3年の使用期限内に溶出規格外になるおそれがあるため。同社は、仮に規格外の製品の場合「4時間経過時の有効成分の体内への吸収が早まる可能性が考えられるが、12時間経過時の溶出性および含量は規格内であることから、有効性または安全性への影響は極めて低い」としている。現時点で健康被害の報告はないという。回収分類はクラスII。
同社によると、出荷しない試験製造品において4時間後の溶出性が規格(15~45%)の上限値を超えたことを確認。現在流通している製品についても「使用期限内に規格外になる可能性が完全に否定できない」として自主回収に踏み切った。回収対象は2017年4月20日出荷(使用期限19年12月)をはじめとし、最後の出荷は19年2月12日(使用期限21年10月)で、100錠と1000錠のPTP包装。錠数にして約8000万錠という。
デパケンの18年売上実績は53億円で、後発医薬品の影響が比較的少ない製品。同社は、「供給不足にならないよう最大限の対応を行う」とし、普通錠や回収対象外のデパケンR錠100mgバラ包装品、同R錠200mgのPTP包装品とバラ包装品で対応したい考え。
規格外になった理由について同社は、2016年に同剤の製造所を変更したことが推察されるとしている。それにより徐放性のコーティングに何らかの影響が出た可能性が示唆されているという。
◎デパケンR錠100mg 使用期限を2年に短縮 溶出規格外リスク避けるため
また同社は、この問題を受け、デパケンR錠100mgPTP 包装品について、使用期限を3年から2年に変更することにし、使用期限変更品を7月から出荷することを決めた。調査検討の結果、使用期限を2年にすることで、溶出規格外の製品出荷リスクを避けられると判断した。バラ包装品と使用期限が異なると混乱を招くとしてバラ包装品の使用期限も2年にする。変更品の出荷は未定。