武田薬品 進行腎細胞がん治療薬・カボザンチニブを承認申請
公開日時 2019/04/26 03:50
武田薬品は4月25日、新規作用の抗がん剤として開発してきたカボザンチニブリンゴ酸塩(開発コード「XL184」)について、切除不能または転移を有する腎細胞がんの治療薬として日本で承認申請したと発表した。
申請資料に用いられた治験の1つは、VEGFR-TKI(血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬)治療後に増悪した転移のある患者658例を対象に行われた海外第3相試験(「METEOR試験」)。同試験では、カボザンチニブ60mgとエベロリムス10mgを無作為化比較した(いずれも1日1回連日投与)。その結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値はカボザンチニブ群で7.4か月、エベロリムス群で3.8か月であった。
また、全身療法の治療歴のない局所進行性または転移のある患者157例を対象に行われた海外第2相試験(「CABOSUN試験」)では、カボザンチニブ(1日1回連日60mg投与)とスニチニブ(1日1回50mg4週間投与2週間休薬)を無作為化比較。主要評価項目のPFS中央値はカボザンチニブ群が8.6か月、スニチニブ群は5.3か月であった。そのほか、VEGFR-TKI治療後に増悪した日本人の患者35例を対象にした第2相試験(「Cabozantinib-2001試験」)も含む、これら3試験の結果に基づき申請に至った。
同剤は米Exelixis社が開発したもの。武田は同社と2017年1月に開発提携と独占的販売権の契約を締結した。