製薬企業の医療者向けサイト 薬剤師評価トップはサノフィ、4年連続
公開日時 2019/03/15 03:52
ネグジット総研MMPR(http://www.mmpr.jp/)はこのほど、保険薬局もしくは病医院に勤務する薬剤師が2018年に最も良かったと評価した製薬企業医療従事者向けサイトの第1位はサノフィのサイトだったとの調査結果をまとめた。サノフィは4年連続トップとなる。2位タイはアステラス製薬とファイザー。アステラスは前年4位、ファイザーは前年も2位だった。
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■最も良かったサイト「なし」が増加
調査は同社の薬剤師調査モニターを対象に実施したもの。有効回答数は450人で、内訳は保険薬局勤務薬剤師が300人、病医院勤務薬剤師が150人。調査期間は18年11月28日~12月12日。方法はインターネットリサーチ。「薬剤師が選ぶ製薬企業医療従事者向けサイト評価調査2018年版」としてまとめた。
サノフィのサイトが最も良かったとの回答割合は7.1%だった。1位をキープしたものの、サノフィ推しの回答割合は前年調査から8ポイント強、下がった。
この点についてネグジット総研は、「総合的に最も良かった製薬企業サイトを1社挙げてもらう設問で『該当なし』との回答が、調査全体、保険薬局、病医院のいずれも前年調査から10ポイント以上増えたことが要因」としている。サノフィ以外のサイトに評価が多く流れたというよりは、製薬企業サイトを評価した回答数自体が減ったことが背景にあるとの見立てだ。
サノフィのサイトを推した理由コメントをみると、薬剤師向けサイト「e-MRファルマシアン」のコンテンツが豊富で、薬剤師が知りたい情報が多いことなど“役立ち度”の高さが評価につながったようだ。例えば、「薬剤師向けの服薬指導アシスト内容や薬局で使えるコンテンツが充実している」(保険薬局薬剤師)といったコメントがみられた。良かった連載・特集では、医師で薬局経営経験者でもある狭間研至氏の「狭間研至の薬剤師への伝言」が変わらず人気。
ただ、情報量が多いためか、「サイト内のどこにいるかわからない」「目が疲れる」とのコメントもあり、改善ポイントといえそうだ。
アステラスのサイトが最も良かったとの回答割合は4.9%で、前年調査から0.7ポイント伸ばした。サイトに統一感があり、わかりやすく、みやすいことが評価につながった模様。良かった連載・特集では、「疾患の解説」「メカニズム解説」「患者向け病態情報」といった内容が散見された。
ファイザーを評価した割合も4.9%で、前年調査から2.4ポイント落とした。寄せられたコメントをみると、薬剤師向けの定期的なWebセミナーが秀逸だったようで、「(薬剤師のスキルアップ講座の)各回のテーマそれぞれが大変タメになる内容で、薬学ゼミナール講師による講座も含め、非常に勉強になる内容でよかった。来年度もまた開催いただけることに期待したい」との誉め言葉もみられた。ファイザー推しの薬剤師が病医院勤務に多い(評価割合:保険薬局勤務2.7%、病医院勤務9.3%)ことも特徴のひとつだ。
なお、票数でみると、アステラスは前年調査19票が今回22票に伸びたほか、沢井製薬は同12票が18票に、大塚製薬は同9票が14票に伸びた。
■ネット以外で入手したい情報 1位は「追加された副作用情報」
薬剤師がインターネットで入手したい情報とネット以外から入手したい情報に関する結果を見ると、ネットで入手したい情報の1位は添付文書をはじめとする「医薬品情報」(78.2%)、ネット以外のトップは「追加された副作用情報」(40.9%)だった。いずれも前年調査、前々年調査と同様の結果で、回答割合もほぼ同じ。
「追加された副作用情報」は、医師や薬剤師が情報を認識するまでのスピードが求められる。医師や薬剤師が能動的に情報を取りにいかなければならないネットには不向きで、MRやMSによる情報伝達やFAX送信が求められるという従来から指摘されるポイントが今回の調査でも反映されたといえそうだ。
ネットで入手したい情報の2位は「国内の最新医療情報」(67.8%、前年調査3位)、3位は「治療ガイドライン」(66.4%、3位圏外)――、ネット以外で入手したい情報の2位は「学会、セミナー情報」(34.2%、2位)、3位は「服薬指導関連」(30.4%、3位圏外)――だった。