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キョーリン製薬HD 18年度通期予想を下方修正 抗アレルギー薬デザレックスの自主回収で

公開日時 2019/02/06 03:51

キョーリン製薬ホールディングス(HD)は2月5日、子会社の杏林製薬が独占販売する新規抗アレルギー薬デザレックス錠5mg(一般名:デスロラタジン)の自主回収の影響などにより、2019年3月期(18年度)通期業績予想を下方修正すると発表した。同社は、デザレックスについて、今季の花粉症シーズンには供給できないと判断し、同剤の売上を当初予想より33億円引き下げ、48億円(18年度実績より1億円減)に修正。それらにより通期業績予想は、売上高1106億円(当初予想から38億円減)、営業利益82億円(同4億円減)、親会社帰属当期純利益61億円(同5億円減)――に見直した。17年度通期業績と比べて、修正後の18年度計画は、売上は横ばい、営業利益は7%減、純利益7%減――となる。

デザレックスの自主回収は、製造販売元のMSDが同剤の原薬保管施設の外国製造業者認定を取得していなかったことによるもの。使用期限内の全ロットを対象に実施すると1月7日に発表していた。その影響をキョーリン製薬HDが受けた格好で、同社は損害の補償や回収費用などについてMSDと協議している。

売上の下方修正は、デザレックスの自主回収が主因だが、クローン病などに用いるペンタサが当初予想を8億円下回り137億円(18年度実績より16億円減)となる見込みとなったことも影響した。利益面は、費用削減に取り組んだ結果、販管費は当初計画から減少する見通しではあるものの、デザレックスなどの売上総利益が減少するため、下方修正するとしている。

キョーリン製薬HDの常務取締役社長室長の荻原豊氏は、供給再開時期などはMSDとは協議中だとし「できるだけ速やかに供給再開できるようMSDに要望している。残念ながら今シーズンには間に合いそうない」「3月末までの供給再開は難しい」と説明し、薬事上の手続きなどを理由に挙げた。

ペンタサの通期売上計画が当初を下回る見込みであることについては、後発医薬品や競合製品の影響に加え、対応策としていた顆粒剤への切り替えが当初予定より遅れていることを挙げた。

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