富士フイルム 子会社統合し細胞培養の培地事業強化 バイオ薬需要見込む
公開日時 2019/01/25 03:50
富士フイルムは1月24日、抗体医薬などバイオ医薬品の需要増加を見込み、細胞培養に必要な培地のビジネス拡大に向けて、富士フイルム和光純薬と、培地事業を行うアイエスジャパンの両子会社を4月1日付で統合すると発表した。研究開発、製造、販売機能の一体化により機能強化し、培地の事業成長を加速させる考え。
富士フイルム和光純薬は試薬メーカーだが、06年に培地事業に参入し、工場に専用棟を持つ。アイエスジャパンは、販売ほか開発、生産機能を備え、顧客ニーズに合わせた培地を幅広く開発できる能力を持つ。今回、両子会社を統合することで、研究開発、製造面では、両社の培地の開発ノウハウ、製造技術などを融合し、研究開発の加速や生産効率の向上を図る。
また、富士フイルム和光純薬が持つ国内販売網、幅広い細胞培養関連試薬ラインアップなどを活かし、販売強化を進める。
培地は、バイオ医薬品や再生医療製品などの研究開発や製造における細胞培養に使用される。バイオ薬の需要増で、培地市場は今後も年率約10%の伸長が見込まれ、その需要を取り込む。
富士フイルムは、「高機能な培地を開発・提供することで、バイオ医薬品の新薬創出や再生医療の産業化に貢献していく」としている。