中外製薬 抗PD-L1抗体テセントリク、乳がんの適応追加で承認申請
公開日時 2018/12/25 03:50
中外製薬は12月21日、抗PD-L1抗体テセントリク点滴静注(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))に、転移性または切除不能な局所進行乳がんの効能・効果と用法・用量を追加する承認申請を行ったと発表した。既存規格は1200mgだが、今回申請した適応では1回840mgを2週間間隔で投与するため、840mg製剤の承認申請も行った。
トリプルネガティブ乳がんは、全乳がんの15%を占めると推計されている。他のタイプの乳がんに比べ、50歳未満の女性に多く、一般的に増殖能が高く生存期間が短いという。同社の伊東康上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長は、「テセントリクは免疫チェックポイント阻害薬として初めて、トリプルネガティブ乳がんに対する有効性が確認できた」としている。
承認申請は、日本も参加した国際共同治験(IMpassion130試験)の結果に基づくもの。18年10月20日のロシュの発表によると、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移性トリプルネガティブ乳がんの患者を対象に、テセントリクとパクリタキセル(アルブミン懸濁型)の併用と、パクリタキセル単独を比較したところ、テセントリク群で主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が7.2か月と、対照群の 5.5か月を統計学的に有意に上回った(中央値)。もう一つの主要評価項目の全生存期間(OS)では両群に有意差は認められなかった(中央値:21.3か月 /17.6か月)。