米FDA 急性白血病治療薬・Daurismo承認 高齢者への投与可能に
公開日時 2018/11/28 03:50
米食品医薬品局(FDA)は11月21日、米ファイザー社の急性骨髄性白血病(AML)治療薬Daurismo錠(glasdegib)を承認した。適応は、強化化学療法を受療できない慢性併存疾患/症状を有する75歳以上の高齢者で新規にAMLと診断された患者で、低用量シタラビン(LDLC)との併用下で用いる。同剤は、優先審査および希少疾病薬に指定されていた。
胎児死亡や重度の出生異常などの可能性があるため、添付文書に枠組み警告で記載し、医療供給者および患者へ注意喚起した。妊娠中および妊娠の可能性のある場合の服用は禁忌。副作用のひとつとして、QT延長の可能性があるため、心電図の変化をモニターすることも求めている。
ファイザー社のAndy Schmeltzファイザーオンコロジー・グローバルプレジデントは、「Daurismoは、過去14か月以内で急性骨髄性白血病患者のための(我々の)2剤目の承認された薬剤で、治療選択肢が限定され、かつ最も治療が困難ながんとともに生きる患者に新薬を届けるという我々の取り組みを強化することを示している」と述べた。そのうえで、「我々は、強化化学療法が選択肢にない患者に、生存のチャンスを向上させる可能性のある、低用量化学療法と併用できる新規の経口療法を新たな選択肢として提供できることを誇りに思う」とコメントした。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍研究拠点部長兼血液・腫瘍製品部長は、AML患者はしばしば毒性のために強力化学療法を受けられないことを指摘。「本日の承認は、多様で独特のニーズがあるAML患者の治療に使える新たなツールを医療供給者に提供することになる」とコメントした。
米国立がん研究所(NCI)によると、米国では2018年に1万9520人が新規にAMLと診断され、1万670人がAMLで死亡すると見込まれている。AMLと診断された約半数は、併存疾患もしくは化学療法による毒性のために強力化学療法を受療できない。