MSD 抗PD-1抗体のキイトルーダ 条件付き早期承認制度の適用に
公開日時 2018/06/28 03:50
MSDは6月27日、局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんに対する効能・効果で、抗PD-1抗体のキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))が「条件付き早期承認制度」の適用を受けたと発表した。22日付で優先審査の対象となった。同剤は、3月に国内で製造販売承認事項一部変更承認申請を行っていた。
MSI-Highとは、傷ついた遺伝子の修復機能の低下を示すバイオマーカー。大腸がんや胃がんなどの消化器系がん、子宮内膜がんでMSI-Highの頻度が高いことが知られている。MSDによると、共通のバイオマーカーに基づいてがん腫横断的に効能・効果を有するがん治療薬は、国内ではこれまでなかった。
キイトルーダはT細胞に主に発現する受容体のPD-1と、腫瘍細胞に発現するリガンドのPD-L1及びPD-L2の相互作用を阻害する抗PD-1抗体。キイトルーダはPD-1(受容体)に結合して、この受容体のリガンドとの結合を阻害することで、腫瘍細胞のPD-1経路を介する抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。日本では17年2月から販売を開始、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がんなどの適応で承認されていた。
同省によると、制度の適用を公表したケースは、ファイザーがALK陽性非小細胞肺がん治療薬として申請したロルラチニブに次ぐ2剤目。