地域支援体制加算 調剤基本料1以外の薬局で取得はゼロ NPhA調査
公開日時 2018/05/18 03:50
調剤基本料1(41点)以外で地域支援体制加算を取得する保険薬局は4月時点でゼロ―。日本保険薬局協会(NPhA)が会員会社を対象に、2018年度診療報酬改定の影響度を検討した調査結果からわかった。地域支援体制加算は18年度改定で基準調剤加算の廃止に伴い、新設された点数。調剤基本料1以外では、地域医療への貢献を示す実績要件をクリアすることが求められているが、このハードルの高さが指摘されていた。調剤報酬の概要が固まった2月の会見で、NPhAの南野利久会長は「努力して取れるものではない」と、その衝撃を口にしていた。
地域支援体制加算は、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する保険薬局について評価する点数(35点)。調剤基本料1を取得する保険薬局以外は、「地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績」として、夜間・休日等の対応実績や服薬情報提供料の実績、在宅薬剤管理、麻薬指導管理加算、かかりつけ薬剤師指導料など8要件をクリアが求められる。
調査結果からは、18年度改定で廃止された基準調剤加算を算定する保険薬局(18年3月時点)が37.0%あったのに対し、23.9%(4月時点)まで減った。項目ごとに常勤薬剤師1人当たりの回数をみると、かかりつけ薬剤師指導料の実績は127.9回と要件(40回)をクリアしたものの、残り7項目は大きく届かず、調剤基本料1以外を算定する保険薬局では地域支援体制加算取得の難しさが改めて浮き彫りになった。
杉本年光常務理事は5月16日、総会後の会見で、特に門前薬局について「非常に厳しい」との見方を改めて示した。
◎後発医薬品使用体制加算3は1割強に 4割が加算取得できず
調剤基本料は、調剤基本料1を届け出た薬局は、78.7%(3月時点)から55.9%(4月時点)まで減少。一方、グループ全体で40万回超のチェーン薬局に新設された調剤基本料3-ロ(15点)は29.1%、敷地内薬局が算定する「特別調剤基本料(10点)」は0.5%となった。
後発品80%目標達成時期が2020年9月に迫る中で、ハードルが引き上げられた後発医薬品調剤体制加算については、後発医薬品調剤体制加算3(後発品:85%以上)が11.1%、後発医薬品調剤体制加算2(80~85%)が22.5%、後発医薬品調剤体制加算1(75~80%)が25.0%だった。加算を取得できない保険薬局は19.8%から41.9%へと拡大した。
なお、調査は、NPhAの正会員企業を対象に、18年度調剤報酬改定の影響度を把握する目的で、ウエブ上で実施した。実施期間は、18年4月17日~5月7日。119社、8682薬局から回答を得た。