塩野義 滋賀県と発達障害者の支援で連携協定
公開日時 2018/02/15 03:50
塩野義製薬は2月14日、滋賀県と発達障害者の支援で事業連携協定を締結したと発表した。同社はADHD治療薬を扱っているが、薬剤だけでは発達障害者やその家族が抱える課題を解決できるわけではないため、両者それぞれが持つネットワークを活かし、必要な社会的支援を広げたい考え。発達障害者への理解を促す市民公開講座や、自らの子どもへの接し方を親が学ぶトレーニングの機会などを提供する。
協定により、▽発達障害の理解促進▽発達障害児の保護者支援など発達障害者と家族に対する支援――などについて両者が取り組む。これは塩野義にとっては、中期経営計画で掲げる「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」の取り組みの一環で、発達障害者が抱える「生きにくさ」を社会課題と捉え、解決に向け支援するもの。滋賀県は「共生社会づくり」を掲げ、以前から発達障害者支援に積極的に取り組んでいることから、連携することで効率的に進められると判断し、協定を締結した。
同社は、子どもを取り巻く健康上の課題の解決を支援するため「こども未来支援室」を2016年7月に設置しており、今回の協定は同室の取り組み。今後、滋賀県健康医療福祉部などの関係部署と塩野義の経営戦略本部こどもの未来支援室が推進する。
同室による自治体との連携協定の第一弾は大阪府と17年1月に締結、発達障害支援のほか子どもの健康、キャリアを含めた連携を進めている。今回の滋賀県は2例目となる。2017年11月に大阪府の取り組み事例を紹介したきっかけで滋賀県との協定につながったという。今後も他の自治体と子どもの健康に関連した連携協定を進める予定だという。
協定の締結は14日、滋賀県庁で塩野義製薬取締役上席執行役員の澤田拓子氏(左)と滋賀県健康医療福祉部長の藤本武司氏(右)が出席して行われた。