厚労省 医薬品等安全性情報で偽造薬流通問題 個人輸入含め注意と対応促す
公開日時 2018/02/07 03:50
厚労省医薬・生活衛生局は2月6日、「医薬品・医療機器等安全性情報」No.350で、C型肝炎治療薬ハーボニーの偽造品流通問題を取り上げ、医療関係者に向け「医薬品やその容器包装、封などの状態を確認し、通常と異なると認められる場合には、譲受、調剤、販売等を行わないように」と注意喚起した。
この問題で同省は、偽造品流通防止策を盛り込んだ省令改正を行い、一部を除き1月31日に施行した。同情報は、この問題について、患者は異常に気付き服用しなかったとはいえ、個人輸入経路を除き、これまで流通しないとされた偽造品が国内販売ルートに混入し、薬剤師の手を経て患者に渡ったことから「非常に重大な事案」と指摘。改正省令や、この改正の基になった同省の「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」の報告書に沿った対応を促した。
改正省令では、譲渡人が虚偽であったことも発覚したことから、卸売販売業者、薬局開設者などに対し、取引相手の身分など適格性の確認を含む譲受・譲渡記録の厳格化などを規定。偽造品が外箱から取り出された状態で流通したことから、開封された後の医薬品の販売・授与についても、直接の容器・被包への記載事項として、「分割販売される医薬品にあっては、分割販売を行う者の氏名又は名称並びに分割販売を行う薬局、店舗又は営業所の名称及び所在地」を新たに設け、開封した薬局などを明確にすることにした。
個人輸入 偽造品流通の「主要なルート」
併せて、「医薬品の偽造品が消費者に渡る主要なルートは,インターネットを介した医薬品の個人輸入」と指摘し、重大な健康被害を生じた事例も報告されているとして、医療関係者に対し、消費者から海外医薬品の個人輸入の相談があった場合は適切な助言を行うよう求めた。助言に必要な情報として「あやしいヤクブツ連絡ネット」(http://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/)を挙げ、活用を促した。
同ネットでは、インターネットを通じて販売されている海外の医薬品を買い上げ、国立医薬品食品衛生研究所が真贋や成分を分析した結果のほか、海外の薬事規制当局が発表する偽造医薬品の発見やそれによる健康被害の情報などを日本語に翻訳して注意喚起している。
同省としても、医薬品成分等が検出された製品や偽造医薬品の販売サイトに対しては警告メールの送信や削除要請などを行い、製品の販売及び広告が中止されるよう指導・取り締りを実施していることを紹介した。