Azar HHS長官候補 薬価引き下げに熱意:上院公聴会
公開日時 2017/12/04 03:50
米トランプ大統領から米保健福祉省(HHS)長官に指名されたAlex Azar氏は11月29日、米上院保健・教育・労働・年金委員会(HELP)の公聴会で、優先課題として高額薬剤問題について言及した。米医薬専門誌「Fierce Healthcare」や「Healthcare Finance」などが報道した。
Azar氏は、HHS長官として取り組む優先課題として薬価問題に言及した。「薬価は高すぎる。トランプ大統領もこの点を明確にしている。私も同じだ」と強調。「私は、この問題解決に役立つ議論に私のスキルと経験を生かせると信じている」と薬価引き下げに意欲を示した。
薬価引き下げの具体策には言及しなかったものの先発品と後発品の競争促進の必要性や、先発品企業が先発権を弄ぶことを止めさせる必要があると指摘した。
また、トランプ大統領が薬価を引き下げるひとつの方策として、欧州やカナダからの輸入について信頼性があり、安全性が確保できるなら認める意向を示した。
一部民主党議員は、Azar氏が大手製薬イーライリリー社出身のため、リリーによるインスリン製剤の値上げの問題を質した。同氏は、この問題には直接答えず、インスリンの値上げは重要な問題との認識を示し、解決が図れる必要があると話した。
Azar氏は、1967年6月生まれの弁護士で、2001年から6年間HHSに勤務した。その間、ジョージ W ブッシュ政権において、Michael Leavitt長官のもとで副長官を歴任。副長官時代はメディケード(公的低所得者保険)、メディケア(公的高齢者保険)などを主に担当した。2007年から10年間、米イーライリリー社に勤務。2012年イーライリリーUSA(米国事業部門)社社長に就任。2017年1月にイーライリリー社退職。その後、コンサルタント業を自営していた。
HHS長官の就任には上院の承認が必要で、今後財政委員会による同様公聴会を開催、その後就任の可否を決める。HHS長官に就任すると製薬企業出身者として初めてとなる。