厚労省 AGの薬価見直しルール 0.4掛けの後発品の価格帯に集約
公開日時 2017/11/22 03:53
厚生労働省保険局は11月22日の中医協薬価専門部会に、オーソライズド・ジェネリック(AG)の薬価見直しルールを提案する。先発品の0.5掛けで収載されたAGの実勢価格が、遅れて先発品の0.4掛け(10銘柄以上)で収載された後発品のみからなる価格帯に入る場合、遅れて収載された後発品の実勢価格改定の価格に集約させるというもの。例えば、6月にAGが0.5掛けで収載され、12月にAGと同一成分で10銘柄以上の後発品が0.4掛けで収載された場合、価格帯集約ルール上、翌年4月に実施する薬価改定は、0.4掛けの実勢価格帯の価格に集約される。
後発品の薬価は、年2回(6月、12月)追補収載することになっている。近年は先発メーカーの特許実施権などから、オーソライズド・ジェネリック(AG)が通常の後発品より半年早く承認され、薬価収載されることが多い。先発メーカーも後発品ビジネスの一環として参入する動きを活発化させており、AGによる市場占有も総じて高いことが明らかになっていた。
その一方で、AGに対して薬価制度が対応できていないとの指摘もある。具体的には、診療報酬改定の前年の6月にAGが収載され、12月に他の後発品が収載された場合、AGは先発品の0.5掛け、後続の後発品は10銘柄を超える場合は0.4掛けで薬価が収載される。仮に薬価調査が9月に行われた場合、AGが市場実勢価に基づき改定されるのに対し、後続の後発品は薬価調査における数量がゼロであるため、価格帯集約のルール上、AG価格まで「引き上げられる可能性」が生じるのだ。
このため、今回の薬価見直しルールでは、AGの市場実勢価格を把握した上で、後続の後発品については指数処理を加えた機械的算定を行い、最終的には遅れて収載された後発品の実勢価改定の価格に集約させる方針を提案している。仮に6月にAGを収載し、翌年4月に薬価改定を控えるケースでは、収載から10か月後に後続の後発品の価格帯に取り込まれることになる。
◎後発品の価格帯 一時的に最大5価格帯 診療報酬改定年度に3価格帯に集約
後発品の価格帯については、長期収載品の薬価の見直しとあわせて、後発品収載から12年を経過したものについては、原則として1価格帯(G1において長期収載品が市場から撤退した品目に関しては2価格帯)とする。ただし、統一名収載の価格帯については、1品目とみなし、全体として価格乖離の大きい品目である場合に、全体の加重平均にて改定を行うこととする。このため、毎年改定により、一時的に最大5価格帯となるが、本改定の際には通常、3価格帯への改定とする。