小野とBMS がん免疫療法薬のオプジーボとヤーボイ 悪性黒色腫への併用療法を国内申請
公開日時 2017/10/02 03:51
小野薬品とブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)は9月29日、抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ、小野)と抗CTLA-4抗体ヤーボイ(同イピリムマブ、BMS)の作用機序が異なるこれら2つのがん免疫療法薬について、日本で、根治切除不能な悪性黒色腫に対する併用療法を可能にする承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。申請は同日付け。
今回の申請は、それぞれ単剤で承認されている用法・用量に加え、両剤を併用する場合の用法・用量の追加となる。
オプジーボは、PD-1とPD-L1リガンドの経路を阻害することで、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するもの。ヤーボイは、T細胞の活性化を抑制するCTLA-4の働きを抑え込むことで、腫瘍抗原特異的なT細胞の活性化と増殖を促して腫瘍増殖を抑制する作用を持つ。
今回の申請は、未治療の根治切除不能又は再発の進行期悪性黒色腫の患者を対象にした国内フェーズ2試験(ONO-4538-17)と、未治療の進行期悪性黒色腫の患者を対象にした海外フェーズ3試験(Checkmate 067)の結果に基づくもの。
国内試験のONO-4538-17 試験での用法・用量は、「オプジーボ1回1mg/kg(体重)およびヤーボイ1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注し、その後、オプジーボ1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注」となっている。
悪性黒色腫は、皮膚の色と関係が深いメラニン色素の産生能を持つ色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍。皮膚がんの中でも転移率が高く、極めて悪性度が高いとされる。国内患者数は約4000人、年間約700人が悪性黒色腫で亡くなっていると報告されている。