米国下院は3月24日午後、Paul Ryan下院議員によって提出された医療改革法案”American Healthcare Act”についての採択を審議未了のまま採択を見送ることを決定。消極的選択ながら、オバマケアの存続が決定した。

3月24日午後3時30分、Paul Ryan議員は全共和党員を招集し 、かねて審議中の”American Healthcare Act”を取り下げる旨を伝達。これにより、同法案の審議は中断され、オバマケアの存続が決定した。トランプ大統領府は最初の法案審議に失敗したことになる。

http://www.cnn.com/2017/03/24/politics/paul-ryan-health-care/

下院の決定を受け、トランプ大統領はメディアに対し「医療改革はここまでとし、速やかに次の政治課題に移行する」とのべ、同時に「オバマケアは残念ながら存続することになったが、オバマケアでは医療保険の高騰、医療へのアクセスおよび医療の質の低下が避けられない。オバマケアは近い将来に破綻するだろう」と述べた。

https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2017/03/24/remarks-president-trump-health-care-bill

野党民主党は下院の決定を「当然の結果」と評価。民主党院内総務のChuck Schumer「現政権は、筋の通った、実施可能な法案を起草することができないだけでなく、法案を成立させるための与党・共和党内におえる根回しさえもできないのでは？」と現政権を批判した。（医療ジャーナリスト　西村由美子）