GPhA トランプ次期大統領にGE/BS促進で文書提出
公開日時 2017/01/10 03:50
2017年1月20日のドナルド・トランプ次期大統領の大統領就任を前に米医薬品業界は期待と不安が入り混じった状態といえそうだが、全米ジェネリック医薬品協会(GPhA)は、米国の薬価高騰を抑制するにはジェネリック医薬品(GE)とバイオシミラー(BS:バイオ後続品)の使用促進を図ることが重要とする内容の文書を送付した。GPhAが12月20日に発表した。
トランプ次期大統領は、選挙戦中に社会問題化している薬価高騰を抑えるとの公約を訴えていたため、トランプ次期大統領と情報共有を図り、新政権下での政策への反映を狙い、GEおよびBSへの理解を深めてもらう目的を持つ。
GPhAのChip Davis会長兼CEOは、文書のなかで、GEとBSは高薬価問題を解決できる「レディメード」(既製)の方法だと指摘したうえで、「GEとBSの機能をフルに全開させるには、安全、有効かつより手ごろな価格の医薬品アクセスを求める患者、薬剤師、医師、支払者およびサプライ―チェーンの関係者などによる超党派的な努力を必要とする。政策立案者は、価格を引き下げ、医薬品への患者アクセスを改善するために競争を促進しGEの市場参入を促すような患者中心で市場をベースとした解決策を追究することが重要である」と強調した。
GPhAおよびクインタイルズIMSによる報告書による、米国では全処方せん数の89%がGEであるが、金額ベースでは27%に過ぎないとのデータを引用、GEとBSはヘルスケアシステムに大きな節減をもたらすと説明した。
その上で、GPhAは、以下のGEの競争促進や患者のGEアクセス改善を目指すなどの5つの政策提言を提示、これを支持するとして、トランプ氏に理解を求めた。
①高度で合理的な開発基準や承認プロセスを満たす高品質で手ごろな価格のGEへのタイムリーなアクセスを促進する
②ブランド品(先発品)とGEの経済的ダイナミクスの相違をわきまえた政策を立案する
③イノベーションの必要性とGEとの競争の活発化のバランスをとったIP(知的財産権)枠組みを確保する
④一部ブランド品企業によるGE開発を阻害したり遅らせたりする行為を止めさせる
⑤全ての患者集団を通して、手ごろな価格のGEの使用を増やす