米FDA アトピー性皮膚炎治療薬Eucrisaを承認
公開日時 2016/12/20 03:50
米食品医薬品局(FDA)は12月14日、2歳以上の小児および成人における軽症から中等症のアトピー性皮膚炎治療薬Eucrisa(crisaborole)軟膏を承認した。同剤は、アトピー性皮膚炎の症候や症状の原因とされるサイトカインの産生を抑制するホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤で、非ステロイド性抗炎症剤。
同剤の安全性・有効性は、2~79歳までの軽症から中等症のアトピー性皮膚炎患者合計1522例を登録した2本のプラセボ対照比較試験で検証された。同剤投与群では、28日間治療後に皮膚病変なし、および皮膚病変ほとんどなしの評価項目を達成した。重篤な副作用には過敏性反応の発現がみられた。主な副作用は、塗布部位疼痛および焼灼感など。
米Anacor Pharmaceuticals社(本社:カリフォルニア州パロアルト)が製造する。Anacor社については、米ファイザー社が今年5月に同社を総額52億ドル(6138億円、1ドル=118円換算)で買収することを発表、6月に買収を完了、ファイザー社の子会社となった。
ファイザー社Innovative Health部門のAlbert Bourlaグループプレジデントは、「Eucrisaの承認は、軽症から中等症のアトピー性皮膚炎に悩む小児と成人、すなわち、10年以上も新規の処方せん薬を持たなかった患者集団にとって大きなニュースだ」と指摘したうえで、「この承認は、ファイザーが治療を必要とする患者に画期的な治療法を提供することによって、炎症および免疫分野における実績を積み上げ続けているので、我々にとって重要なマイルストーンである」と話した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のAmy Egan医薬品評価第3部副部長は、「本日の承認は、軽症から中等症のアトピー性皮膚炎患者に新たな治療オプションを提供するものだ」と同剤の登場を歓迎した。