米FDA ジカウイルスで献血検査を強化
公開日時 2016/09/08 03:50
米食品医薬品局(FDA)は8月26日、米国および米国領土内における全血献血並びに成分献血すべてについてジカウイルスの検査を実施することを推奨する改訂ガイダンスを公表した。
改訂ガイダンスでは、米国全州および同領土ではFDA承認取得したか、治験薬申請(IND)を認められた血液スクリーニング検査法で全血献血および成分献血血液の検査を実施することを推奨した。最近、輸血による感染例が報告されたための対応強化策である。
FDAは、今回のガイダンス策定に当たっては、妊娠中の女性がジカウイルスに感染した場合の胎児における小頭症との関連についての報告があることから妊娠中の女性などへの影響なども考慮、最新の科学的エビデンスの検討や専門家らと協議。米国の血液供給におけるジカウイルス感染のリスクを軽減し続けるとみて、ジカウイルスの輸血による感染リスクが減少するまで献血血液の検査を拡大する考えを示している。
米国では、ネッタイシマカによるジカウイルスの初めての、感染地域への非旅行者による感染は2015年12月にプエルトリコで報告された。その後すぐに同様症例が米国領サモアならびにバージン諸島で確認された。2016年7月には、米国本土フロリダ州マイアミ・デード郡で初めての非旅行者の感染が報告されている。
FDAのPeter Marks生物製剤評価・研究センター長は、「ジカウイルス伝染の特徴や範囲には未だ多くの不確定さがある」と指摘しながらも、「今回、すべての供給血液を検査することは輸血を必要とする患者に安全な血液を提供できることに役立つ」と話した。
FDAは今年2月に、ジカウイルス蔓延地域のみで病原体除去機器の使用あるいは採血の停止、または実際にウイルスが蔓延していない米国からの全血献血や成分献血の血液を使用するなどして、同ウイルスの全血献血および成分献血血液のスクリーニングを行うことを推奨する最初のガイダンスをまとめた。ジカウイルス感染症は、ネッタイシマカによって媒介される。