大日本住友 早期退職者を募集 45歳以上対象 国内業績不振で
公開日時 2016/08/31 03:52
大日本住友製薬は8月30日、早期退職者の募集を行うと発表した。2016年11月30日時点で45歳以上かつ勤続5年以上の約1200人の社員を対象に、9月26日~10月14日まで人数を定めず募集する。退職日は11月30日。早期退職実施にあたり役員報酬の減額も行い、取締役(社外取締役除く6人)は月額の20%、執行役員(海外子会社2人除く8人)は月額10%を6カ月間カットし、経営責任を明確化する。
早期退職の実施理由として▽後発医薬品(GE)使用促進策による長期収載品売上の落ち込みが想定を超えるスピードで進んでいる▽戦略品等の売上も期待どおりに拡大していない--と国内業績の不振を挙げた。同社としては、「収益状況に見合う適正な人員」を早期退職によって実現し、国内事業体制の効率化を図りたい考え。
多田正世社長は2015年度決算会見で、中期経営計画の最終17年度の長期収載品及び戦略品の売上合計が14年10月時点の計画よりもさらに300億円超下振れするとの見通しを明らかにしていた。数年内には主力品で国内売上の2割弱を占める高血圧治療薬アバプロと同剤配合のアイミクスにGEの登場が予想されるほか、国内業績をカバーしている北米での抗精神病薬ラツーダの独占販売期間が19年に満了。そのため国内事業体制のスリム化が迫られていた。
退職者には、通常退職金に特別退職金を加算して支給する。発生する特別退職金による特別損失額は現時点では未確定で、確定次第発表するとしている。
同社が早期退職者を募集するのは、05年の合併発足後の06年の実施以来2回目。