アステラス クエチアピンの徐放錠を承認申請 双極性障害のうつ症状で
公開日時 2016/08/10 03:50
アステラス製薬は8月9日、クエチアピンフマル酸塩徐放錠(開発コード:FK949E)について、「双極性障害におけるうつ症状の改善」の効能・効果で、同日に日本で承認申請したと発表した。1日1回投与。活性成分は、統合失調症に用いる非定型抗精神病薬セロクエル(製品名)と同じだが、今回申請したものは適応症、用法用量が異なるため、医療事故の防止の観点から異なる製品名を検討しているという。
申請された適応症は、日本うつ病学会が厚労省に要望したもの。同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討を経て、アステラスに開発要請され、国内治験を実施のうえで今回の申請となった。欧米では認められている適応症で、検討会議では、双極性障害の躁状態に対しては実地診療での選択肢はある程度満たされているのに対し、同障害のうつ状態に対する治療薬は十分にないとされ、同適応症の開発が優先された。他の適応症の追加についてアステラス製薬は、現時点では予定はないとしている。