日本臨床腫瘍学会 結腸・直腸がん適応追加のサイラムザで「適正使用のお願い」
公開日時 2016/05/26 03:50
日本臨床腫瘍学会は5月24日、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の適応を追加した抗がん剤サイラムザ点滴静注液(一般名:ラムシルマブ(遺伝子組換え))について、施設要件や初回投与時の留意事項などをまとめた「適正使用のお願い」を学会ホームページに掲載した。製造販売元の日本イーライリリーが、同学会に、適正使用推進の協力を求めていた。
「適正使用のお願い」は「サイラムザ結腸・直腸癌適正使用アドバイザリーボード」がまとめた。施設要件には、▽緊急時に対応可能な体制が整い、必要な検査・処置ができる▽適正使用の協力が得られる▽担当MRの定期的面会が可能で、有害事象等の安全性に関する情報を提供できる――の3点を挙げた。
初回投与にあたってのチェックリストも提示。具体的には、▽ECOG PS(=全身状態の指標) 0又は1▽蛋白尿 定性検査で1+以下▽血栓塞栓症▽消化管穿孔の恐れのある病変/ 消化管の慢性炎症性疾患▽出血性素因▽未治癒の術創/手術の予定▽コントロール不良な高血圧症▽肝障害――の8項目を挙げ、「はい」「いいえ」もしくは「あり」「なし」の2択でチェックするよう求めた。適正使用の推進と、患者の安全性の確保につなげる。
同剤は血管新生阻害薬で、がんの増殖および転移に関わる血管新生で重要な役割を示す血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体2に対するヒト型モノクロ―バル抗体。「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」の治療薬として15年6月に発売し、今年5月23日に結腸・直腸がんの適応を追加した。