アステラス、第一三共、武田 健康成人のバイオマーカー基礎データの取得で共同研究契約
公開日時 2016/05/24 03:51
アステラス製薬、第一三共、武田薬品の内資系大手3社は5月23日、患者との比較対照となる健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得・解析する共同研究契約を締結したと発表した。この3社が共同研究するのは初めて。得られたデータは公開し、患者のアンメットメディカルニーズを満たすために行われるあらゆる創薬研究に広く活用してもらう。共同研究への各社の投資額は開示していない。
健康成人におけるバイオマーカーの基礎データは、生体内タンパク質や代謝物をバイオマーカーとした臨床試験を実施する上で必要となる。しかし、同基礎データは世界的にも十分蓄積されておらず、さらなるデータ基盤の強化が課題になっていた。内資系大手3社が協力して世界に先駆けてデータ基盤を構築・強化することで、日本発創薬イノベーションの効率化・加速化につなげる。
健康成人のサンプルは、オランダのライデン大学のトーマス・ハンケマイヤー教授の指導のもと、同大学が提携する臨床研究機関で取得する。取得予定サンプル数は10サンプルで、日本人が含まれるかどうかは不明。
得られたデータは公開するとともに、アステラス、第一三共、武田はそれぞれの重点疾患領域で活用する。重点疾患領域はアステラスが泌尿器、がん、免疫科学、腎疾患、神経科学、筋疾患、眼科――、第一三共ががん、疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患――、武田ががん、消化器系疾患、中枢神経系疾患、ワクチン――としている。