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爪白癬外用薬クレナフィン 処方医の5割近くが第一選択に位置づけ 上市から1年余りで

公開日時 2016/03/02 03:51

2014年9月に上市された爪白癬に対する国内初の外用薬クレナフィンを処方した経験のある医師に意識調査したところ、同剤を第一選択薬に位置づけている医師が5割近くに達した。調査は15年12月に実施したもの。このため上市から1年余りで多くの医師がクレナフィンの使い方を決めていることがわかる。

同剤を販売する科研製薬は、同剤の15年度通期の売上計画を期初に120億円と設定したが、その後、第2四半期に175億円、第3四半期に185億円と相次ぎ上方修正している。メーカーの想定以上に処方が伸びている。

調査は医療専門サイトを運営するケアネットの医師会員のうち、クレナフィンの処方経験がある皮膚科医を対象にインターネットで行った。有効回答数は191人。調査期間は15年12月10日~14日。

調査ではまず、同剤の処方を今後増やすかどうかを聞いたところ、「そう思う」が32%、「まあそう思う」が46%――と肯定派が8割近くと高い割合を示し、大学病院医師では肯定派が9割を超えた。第一選択薬とするかどうかでは、「第一選択薬として処方すると思う」が47%、「処方しないと思う」が21%、「まだ判断できない」が32%――だった。

■高齢者に使いやすい

クレナフィンの処方感や総合評価に関するコメントを分類したところ、「有効性が高い」が44%、次いで「安全性が高い」32%――で有用性を評価する医師が8割近くに達した。従来の経口抗真菌薬では生活習慣病薬などとの薬物相互作用に注意を要し、重篤な肝機能障害の副作用がみられる薬剤もあり、高齢者などで経口抗真菌薬の使用がままならないことも少なくなかった。寄せられたコメントの中には、「高齢者や肝機能障害のある患者でも安心して使える」といった内容が散見され、高齢者にも使いやすいことが処方拡大につながったと分析できる。

一方で、クレナフィンにネガティブなコメントでは「内服と比べると効果が劣る」「内服薬が第一選択薬」が併せて21%、「薬価が高い」が14%――などとなった。

クレナフィンは外用液剤が入ったボトルのキャップを外すと、刷毛が先端についており、それで爪の表面に塗布する。薬効成分が爪の構成成分であるケラチンとの親和性が低いため、爪の表面に塗布することで爪床まで浸透する。

低評価の意見で少なくないのは、白癬菌感染などにより爪が肥厚した症例では有効性が劣るというもの。なかには「肥厚した爪を十分に削って薄くしたとしても、有効率はあまり高くない」「治癒するまで良くなる患者さんと、途中で改善が止まる患者さんに分かれる印象。爪の伸びが関係しているのか」との声もあり、この点で症例選択の余地がありそうだ。なお、クレナフィンの薬価は、競合薬(ジェネリック含む)の2~5倍で、有用性を評価する医師からも併せて薬価の高さを指摘する声がみられた。

詳細はMonthlyミクス3月号の連載「新薬の立ちイチ」に掲載しています。ミクスOnlineでは、こちら(有料会員限定)。医師コメントの資料も掲載しています。
 

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