米FDA UCBの新規抗てんかん薬・Briviactを承認
公開日時 2016/02/24 03:50
米食品医薬品局(FDA)は2月18日に、新規部分発作(てんかん)治療薬Briviact(一般名:ブリバラセタム)を承認した。適応は、16歳以上のてんかん患者における部分発作で、他の治療薬への追加療法(併用)で用いる。ベルギーのUCB社の米法人UCB Inc社(本社:ジョージア州シミルナ)が販売する。FDAが19日に発表した。
同剤は、抗けいれん効果に寄与すると思われる脳のシナプス小胞体2A(SV2A)に高度かつ選択的親和性を持つことで作用を発揮するとみられている。有効性は、てんかん患者1550例を対象とした3本の臨床試験で検証された。他剤との併用で、てんかん発作の頻度の減少に有効性を示した。同剤を服用した被験者での主な副作用は、眠気、眩暈、疲労感、悪心および嘔吐など。
UCB社のJeff Wren神経学部門長兼上級副社長は、「米国のてんかん患者に改善をもたらす新たな治療選択肢を導入できることに興奮している」と述べたうえで、「本日の承認は、2400例以上のてんかん患者による8年以上に及ぶ臨床試験の頂点にある。同剤の承認は、てんかんとともに生きる人々に対する意義ある治療法に長く携わってきた我々の遺産の上に築かれている」と強調した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のBilly Dunn抗菌剤製品部長は、てんかんは作用発現も患者の特性が大きいとした上で、「てんかん患者が新規の治療選択肢を手にすることは喜ばしい」と同剤の登場を歓迎した。
てんかんは、脳卒中、感染症、腫瘍、脳外傷および異常な脳の発達など様々な原因があるとされるが、多くの場合、特定の原因は不明である。米国では約510万人がてんかんの病歴を持ち、約290万人が現在てんかんを罹患している。