EMA ジカ熱流行で専門委員会を設置
公開日時 2016/02/15 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は2月8日、ワクチンや感染症の専門家で構成する専門委員会を設置したと発表した。WHO(世界保健機関)が2月1日、ジカウイルス感染症(ジカ熱)が世界的に流行し始めたことを受け、「国際的に懸念のある公衆衛生上の緊急事態である」と宣言したことを受けたもの。
ジカ熱については現在、いかなる予防法および治療法も存在しない。ワクチンや薬剤の研究および開発について、新規に予防薬および治療薬を開発する製薬企業などに、科学的・規制的アドバイスを行い、早急な開発の促進につなげることが目的としている。現段階では、ジカ熱ワクチンおよび治療薬の既承認の製品がないだけでなく、臨床試験も実施されていない。
EMAは、ワクチンおよび治療薬の早期開発・実用化を促すために、製薬企業などに対して、同分野で見込みがあるプロジェクトの場合には、EMAに積極的に接触することを求めると同時に、すでに治験ワクチンの開発計画を進行させているような企業には、EMAは前向きに科学的・規制上の助言を行う考えだ。
欧州には、ジカ熱のような新興ウイルス感染症に対する研究・開発をスピードアップさせる仕組みや手段は多く用意されており、開発企業は、要求される検査ならびに試験について、EMAから科学的助言を受けられるとしている。
ジカ熱感染症の流行に対して、欧州委員会(EC)、欧州疾病予防管理センター(ECDC)など欧州の関係機関およびWHOなど国際機関と緊密な連携のもとに対策を講じている。
EMAは、EUにおける関連規則において、関連ワクチンや薬剤がEU諸国以外の地域で使用される場合も製薬企業などは科学的助言を受けられる機会があるとしている。一方で、EMAは、製薬企業は、ジカウイルス感染症ワクチンおよび治療薬開発時には、当該地域で円滑に製品が供給できるように、WHOや当該国の専門家と緊密な連携が望まれると話している。