「薬剤師を大事にしているメーカー」 トップは第一三共 マメな訪問で 薬剤師450人調査
公開日時 2015/11/25 03:52
ネグジット総研MMPR(http://www.mmpr.jp/)はこのほど、薬剤師を対象にした意識調査結果をまとめ、「薬局・薬剤師を大事にしているメーカー」の1位が第一三共、2位がファイザー、3位がサノフィだった。第一三共はMRの訪問頻度、ファイザーは豊富な患者向け資材や薬剤師向け勉強会、サノフィはインターネットによる薬剤師向け情報の充実――を評価するコメントが多かった。アプローチ方法に特徴が見られるものの、各社とも薬剤師の仕事を助ける情報や姿勢に好感を持たれている。
調査は先発・後発の製薬企業55社を対象に、同社モニター会員(薬剤師)に様々なイメージを聞いたもの。有効回答数は450人で、内訳は保険薬局勤務薬剤師300人、病院・診療所(以下、病医院)勤務薬剤師150人。調査時期は10月9日~18日。方法はWebアンケート。調査結果は、「薬剤師が選ぶ製薬企業イメージ調査 ランキングレポート2015」としてまとめており、同社はこの調査を毎年実施している。
「薬局・薬剤師を大事にしているメーカー」の結果をみると、保険薬局の上位5社は第一三共、ファイザー、サノフィ、エーザイ、Meiji Seikaファルマ――の順。病医院では第一三共とファイザーが1位で、3位が武田薬品、4位がサノフィ、5位がアステラスと大塚製薬――。保険薬局と病医院をトータルしたランキングの上位10社は1位が第一三共、2位がファイザー、3位がサノフィ、4位が武田薬品、5位がエーザイ、6位がMeiji Seika、7位がアステラス、8位が大塚製薬、沢井製薬、大日本住友製薬の3社だった。
■サノフィのネット介した情報提供 評価理由の6割以上に
評価理由に関するコメントをみると、第一三共はコメント39件のうち、「週1回は訪問してくれる」「来局が他に比べ多い」「定期的な訪問」など“MRの訪問頻度”を評価するものが14件と多い。訪問頻度に加えて、「MRの対応が良い」など訪問内容や姿勢を評価するものを含めた“MR活動”が評価されていると分析できるコメント数は20件を超える。
ファイザーのコメントは多岐にわたるが、病医院を中心に「セミナーが充実」「薬剤師向け研修会の企画」「薬剤師向け勉強会が充実」が多く、これら勉強会関係は病医院コメント13件のうち少なくとも6件あった。「ヒート(シール型包装)のフォントなどの工夫」「薬剤のパッケージ・服薬指導時のパネル配布など、調剤業務をスムーズにしてくれる配慮がある」など、より具体的な内容が散見されるのも同社に寄せられたコメントの特徴だ。
サノフィのコメント32件のうち、少なくとも20件がインターネットを使った薬剤師向け情報を評価するもの。内容は「薬剤師向けWeb情報の充実」「ホームページなど薬剤師向けコンテンツが充実」「メール等で必要な情報が得られる」「メールマガジンの話題も豊富。会員サイト充実」など。サノフィが提供する薬剤師向けサイトのe-MR ファルマシアンを指していると思われる。
■全17項目の総合ランキング 1位 ファイザー 2位 武田薬品
同調査では、▽コールセンター▽営業力▽開発力▽好感度▽社会貢献▽情報発信――の6分野17項目でそれぞれ製薬企業をランキングし、17項目それぞれについて1位~10位までに10ポイント~1ポイントを付与して総合ランキングとしている。17項目全てで1位をとった場合は、170点満点となる。
その結果、1位は前年2位のファイザー(149ポイント)となり、2位が前年1位の武田薬品(138ポイント)。3位は前年と変わらず第一三共(129ポイント)だった。
6分野ごとの集計結果からその理由を探ると、ファイザーは社会貢献と情報発信で1位になり、特に情報発信で武田薬品に12ポイント差をつけたことが総合ランキングに影響したようだ。情報発信は▽薬剤師向けに情報提供、勉強会を積極的に行っている▽薬局・薬剤師に対する情報提供が充実▽患者向け情報が充実▽情報伝達が早い――の4項目で構成している。
一方、武田薬品は営業力と開発力の2分野で1位を獲得したが、いずれも2位はファイザーで、その差は各3ポイント、2ポイントだった。なお、コールセンターの1位はアステラス、好感度の1位は第一三共だった。
■「この半年に対応良くなった後発品扱う企業」 1位 沢井製薬 2位 Meiji Seika
そのほか、ジェネリックに限定した設問の「ここ半年で薬剤師への対応が良くなったと評価する後発品を取り扱う企業」では、1位が沢井製薬、2位がMeiji Seika、3位が東和薬品。薬剤師の勤務別にみると、保険薬局の結果は1位が沢井、2位が東和、3位がMeiji Seika、病医院は1位がMeiji Seika、2位が沢井、3位がファイザーだった。
以下の「関連ファイル」に総合ランキングの上位10社、対応が良くなった後発品を扱う企業の上位10社(保険薬局、病医院別)の資料を掲載しました(11月27日まで無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。