22年のグローバル製品売上 1位はヒュミラの349億ドル オゼンピックは1年で92億ドル増 IQVIA
公開日時 2023/06/20 04:51
IQVIAは6月19日、2022年のグローバル製品売上の1位は自己免疫疾患治療薬・ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)だったと発表した。2位は抗凝固薬・エリキュース(アピキサバン)、3位はがん免疫療法薬・キイトルーダ(ペムブロリズマブ)で、これら売上トップ3製品の順位は19年から4年連続で変わらなかった。売上上位20製品のうち増収額1位は糖尿病治療薬・オゼンピック(セマグルチド)で、1年間に92億ドル伸ばした。なお、IQVIAのグローバル製品売上ランキングには、政府一括購入などで一般流通していない新型コロナワクチン・治療薬は含まれていない。
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◎100億ドル以上製品は10製品
22年の世界医薬品売上は1兆3630億ドルで、前年比8.3%増となった。金額では423億ドル伸びた。
22年の売上上位10製品は、1位のヒュミラは349億6600万ドル(前年比10.8%増、前年順位1位)、2位のエリキュースは240億5500万ドル(15.9%増、2位)、3位のキイトルーダは238億8900万ドル(28.3%増、3位)、4位のオゼンピックは211億6200万ドル(79.1%増、7位)、5位の乾癬・炎症性腸疾患治療薬・ステラーラ(ウステキヌマブ)は179億3600万ドル(28.3%増、4位)、6位の糖尿病治療薬・トルリシティ(デュラグルチド)は171億9400万ドル(27.1%増、5位)、7位の糖尿病・慢性心不全治療薬・ジャディアンス(エンパグリフロジン)は139億6200万ドル(45.3%増、10位)、8位の抗HIV薬・ビクタルビ(ビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド)は134億7600万ドル(21.3%増、8位)、9位の抗凝固薬・ザレルト(リバロキサバン)は129億4100万ドル(5.1%増、6位)、10位のアトピー性皮膚炎・喘息等治療薬・デュピクセント(デュピルマブ)は100億6200万ドル(43.8%増、15位)――で、これら上位10製品が100億ドル以上製品だった。
ちなみに、IQVIAの集計対象外の新型コロナワクチン・治療薬の22年売上を製薬各社の決算資料で確認してみると、新型コロナワクチンの売上1位はファイザー/ビオンテックのコミナティとなり、売上は計411億ドルとなった(ファイザー公表分378億ドル、ビオンテック公表分33億ドル(同社テリトリーのドイツ及びトルコの売上、1ユーロ=1.05ドル換算))。新型コロナ治療薬の売上1位はファイザーの経口薬パキロビッドで、売上は189億ドルだった。これらの結果から、22年はコミナティがヒュミラを抑えての実質的な売上1位製品とも言えそうだ。
◎成長率上位にオゼンピック、フォシーガ、ジャディアンス、デュピクセント
IQVIAの売上上位20製品について、22年に金額ベースで30億ドル以上伸びた製品は、オゼンピック(92億300万ドル増)、キイトルーダ(42億9300万ドル増)、ジャディアンス(41億7600万ドル増)、ステラーラ(35億7400万ドル増)、トルリシティ(34億8500万ドル増)、ヒュミラ(30億3500万ドル増)――の6製品あった。
為替変動の影響をなくした上で成長率が高かった上位5製品は、オゼンピックの79.1%増、糖尿病・心不全・CKD治療薬・フォシーガ(ダパグリフロジン)の57.6%増、ジャディアンスの45.3%増、デュピクセントの43.8%増、キイトルーダ及びステラーラの各28.3%増――となった。
今回、売上上位20製品に新たにランクインしたのはフォシーガの1製品で、抗がん剤・レブラミド(レナリドミド)が20位圏外となった。
IQVIA公表の製品売上は、世界で異なる名称や企業で流通する製品を同一にグルーピングして集計。国・地域によってはOTCの売上も含んでいる。売上は工場出荷価格ベースで、IQVIAの定めた係数をかけて算出している。日本の場合、薬価に係数をかけたものとなる。売上は四半期ごとの為替影響が反映され、伸び率は為替影響が除外されている。