独ベーリンガー 研究開発に5年間で110億ユーロ投資 積極的なオープンイノベーションで
公開日時 2015/11/13 03:50
独ベーリンガーインゲルハイムは11月11日、次世代の医学的進歩を促進するため、研究開発に対し向こう5年間で110億ユーロの投資を行っていくと発表した。うち50億ユーロは前臨床に投資する。これには外部のパートナー組織と共同開発するオープンイノベーションへの投資15億ユーロが含まれる。(独ベルリン発:森永知美)
同社は、新たな治療薬の発見を導く一環として、生物医学研究において産学間のより広範なオープンイノベーションを積極的に進める。これにより、既に経験と実績のある中核分野での開発を継続しながら、それ以外の分野において、外部に広がる創造的なアイデアや技術をグローバルに見出すことが出来ると期待する。
◎IBDの研究開発充実で4つの組織と提携
これにあわせて、炎症性腸疾患(IBD)の研究開発を充実させるため、新たに米国のIcahn School of Medicine at Mount Sinaiと Massachusetts General Hospital、 Scripps Research Institute、Weill Cornell Medicineの4つの組織と提携したと発表した。これらの提携により、IBDのバイオマーカーや潜在的な治療ターゲットを特定し、まだ満たされていないIBDでの医療ニーズに取り組みたいとしている。
なお同社はIBD以外の疾患領域において、学術組織やバイオテクノロジー企業との提携および出資契約を結んでいる。具体的には、光遺伝学の技術を応用して分子レベルで精神疾患や代謝疾患の治療ターゲットを見出していくCircuit Therapeutics(米カリフォルニア)や、開発上の課題に対して革新的な考えを持つ科学者を見出すクラウドソーシングを担うBioMed X(ドイツ、ハイデルベルグ)などとの提携、また基礎研究を支援するInstitute for Molecular Pathology(オーストリア、ウィーン)への出資がある。