EMA 悪性黒色腫治療薬Imlygicに承認勧告
公開日時 2015/11/12 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は10月19日~22日にヒト医薬品委員会(CHMP)を開催し、新規悪性黒色腫治療薬Imlygic(talimogene laherparepvec)について新医薬品として承認勧告を行った。今回承認勧告の対象となったのは、この1品目のみ。
Imlygic注射用液剤(talimogene laherparepvec)の申請企業はAmgen Europe B.V。適応症は、切除不能な、局所性もしくは遠隔転移(IIIB期、IIIC期、およびIVM1a期)黒色腫。骨、脳、肺への転移および他の内臓疾患を有する患者は除く。
同剤は、免疫系を刺激しがん細胞を攻撃するためにGM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)を挿入したHSV-1(単純ヘルペスウイルス)由来の腫瘍崩壊ウイルスで、承認されれば初のがんウイルス療法となる。EMAは同剤をファースト・イン・クラスの先進医療製品(ATMP)に指定した。
Amgen社(本社:カリフォルニア州サウザンドオークス)は10月23日、CHMPの承認勧告を受け、Sean E Harper研究開発担当上級副社長のコメントを発表した。
同副社長は、「我々は、ImlygicがCHMPから承認勧告を受けたことを喜んでいる。同剤が、欧州委員会に承認されれば、我々は、この画期的治療薬が患者のもとに提供できるように規制当局と協力することを楽しみにしている」と発売準備に邁進する考えを述べたうえで、「転移黒色腫は、最も治療が困難ながんのひとつのままなので、複数の治療法を必要としている。近年の治療薬の進歩にも関わらず、手術で治癒できない患者の5年生存率は受け入れがたいほど低いままの状態だ。このことは、この疾患をコントロールするのに新たなアプローチを真に必要とされていることを示すものだ」と話し、Imlygicの登場に期待感を示した。