BIJ 抗凝固薬プラザキサの中和剤イダルシズマブ 日本もP3実施中
公開日時 2015/10/22 03:51
ベーリンガーインゲルハイムジャパン(BIJ)は10月21日、新規経口抗凝固薬(NOAC)プラザキサの特異的中和剤イダルシズマブ(一般名、海外製品名:Praxbind)の国際共同フェーズ3試験「RE-VERSE AD試験」に、日本も参加していることを明らかにした。これまで日本の参加状況を開示していなかった。米FDAは16日に、同P3試験の中間解析データなどにより、中和剤Praxbindを承認している。
Praxbindの米国承認のニュース記事は10月20日に有料会員向けに配信しています。詳細はこちら。
同社によると、Praxbindは現在、規制当局の審査を受けている唯一のNOACの特異的中和剤で、欧州やカナダで審査中となっている。ドイツのベーリンガーインゲルハイム本社は、「プラザキサが承認されているすべての国でPraxbindの申請を行う予定」としている。日本の申請スケジュールは開示していない。
Praxbindは注射剤。米国では、プラザキサ服用患者で▽緊急手術や緊急処置が必要なとき▽生命を脅かす出血または止血困難な出血が発現したとき――にPraxbindを使用する。同P3試験は世界35か国以上で実施、これまでのデータではPraxbind服用後4時間以内に89%の患者でプラザキサの作用が完全消失した。主な副作用は低カリウム血症、便秘、発熱、肺炎など。
ベーリンガーインゲルハイム循環器領域開発部門バイスプレジデントのヨルク・クラウザー氏は、米国での承認取得にあたり、「Praxbindは、実際の医療現場で非常に低い頻度でしか使用されないが、万一の事態に使用できる特異的中和剤があることで医師や患者のプラザキサへの安心感はさらに増すと考える」とコメントしている。