ヤンセン 全身麻酔用鎮痛薬アルチバ 小児適応で国内申請 関係学会が開発要望
公開日時 2015/09/30 03:51
ヤンセンファーマは9月29日、全身麻酔用鎮痛薬アルチバ(一般名:レミフェンタニル塩酸塩)について、「小児に対する全身麻酔の維持における鎮痛」の適応追加申請を同日付で行ったと発表した。日本麻酔科学会が厚労省に開発要望し、同省の未承認薬・適応外薬検討会議の検討を経て同省が開発要請していた。
既存薬では、全身性麻酔時の鎮痛の調節性が十分でなく、蓄積性による副作用(遅発性呼吸抑制など)から秒単位で変化する手術侵襲に対して必要十分量の鎮痛用量を投与することが困難だった。これに対して超短時間作用性オピオイド鎮痛薬であるアルチバは、鎮痛作用の発現・消失が速やかで調節性に優れ、長時間投与後も蓄積性がないため必要な時に必要なだけ鎮痛を得ることができる。
開発要請を受けてヤンセンは、全身麻酔下の1~15歳の日本人小児患者を対象にフェーズ3試験を実施し、小児における有効性・安全性を評価して申請に至った。
同剤は英グラクソ・スミスクライン(GSK)が創製した薬剤。日本でも当初、GSKが開発していたが、途中からヤンセンが開発を引き継いだ。そしてヤンセンは06年10月に成人に対する「全身麻酔の導入及び維持における鎮痛」の効能効果で承認を取得、07年1月から販売している。