加齢黄斑変性 20~40代の半数は知らず 子や孫も親・祖父母の目に関心を バイエル調査
公開日時 2015/08/28 03:50
バイエル薬品はこのほど、20~40代を対象に加齢黄斑変性に関する意識調査を行い、同疾患の認知率が48.6%と半数以下にとどまったとの調査結果をまとめた。同疾患の罹患リスクが高い50~70代を対象とした過去の調査では疾患認知率が70%以上で、世代によって疾患認知率に差があることがわかった。なお、今回調査で同疾患を知っていると回答した人の情報源は、「ニュース、マスコミ報道」が47.5%と最多だった。
調査は全国の20~40代の男女で、自身または配偶者の親・祖父母(50歳以上)と同居または年1回以上顔を合わせている1000人を対象に実施した。調査期間は6月30日~7月2日。調査方法はインターネット調査。
調査では、親や祖父母が目の病気になり重症化しても、「日常生活をサポートするのは難しい」と考えている人が4人のうち3人にのぼった。
同調査を監修した東京女子医科大眼科学教室の飯田知弘教授は、「若い世代が日常的に患者の生活をサポートすることが難しいなか、見え方などの目の異常を早めに検知し、進行の悪化を防ぐことが非常に重要」と指摘。その上で、「親・祖父母が50歳以上の場合、その方々の目の健康に関心を持ち、時々、見え方を聞いてあげて」「異常がわかったら年齢のせいと放置せず、重症化する前に眼科で診てもらいましょう」とコメントしている。
同社は調査結果を受けて、「患者本人のみならず家族の負担軽減のためにも、社会全体における疾患理解を高める必要性が示唆された」とし、「引き続き、様々な世代の方々を対象に加齢黄斑変性などの網膜疾患の啓発に取り組む」としている。
加齢黄斑変性は中途失明の主な原因のひとつ。このうち滲出型加齢黄斑変性は中途失明の第4位で、患者数は増加傾向にある。滲出型加齢黄斑変性は、網膜下で病的な新生血管が形成され、滲出液の漏出などにより網膜の破壊や機能障害が起こり、視野の中心部に歪みや暗点がみられるようになる。症状が進行すると高度な視力障害に至る場合がある。