日本リリーと大日本住友 週1回GLP-1受容体作動薬トルリシティを共同販促へ
公開日時 2015/07/10 03:52
日本イーライリリーと大日本住友製薬は7月9日、リリーが3日に「2型糖尿病」の適応症で製造販売承認を取得した週1回投与のGLP-1受容体作動薬「トルリシティ皮下注0.75mgアテオス」(一般名:デュラグルチド(遺伝子組換え))について、販売提携契約を締結したと発表した。同契約により、販売・流通は大日本住友が行い、情報提供活動は両社で行う。両社とも糖尿病を重点領域のひとつに位置付けており、リリーは注射薬で培った強みを、大日本住友は経口薬で培った強みを生かしたいとしている。
リリーは糖尿病用薬として、ヒトインスリン製剤やインスリンアナログ「ランタス」のバイオシミラーのほか、経口血糖降下薬のDPP-4阻害薬トラゼンタ、SGLT2阻害薬ジャディアンスを手掛けている。バイオシミラー、トラゼンタ、ジャディアンスはいずれも、グローバルの戦略的提携契約に基づき、日本ベーリンガーインゲルハイムと共同販促している。ただ、リリーによると、トルリシティはベーリンガーとの提携契約に含まれていない製剤という。
リリーはトルリシティの日本での情報提供活動の強化と適正使用の推進に向け、販売提携が必要と判断。「日本の医薬品市場において豊富な経験を持つ」との理由で大日本住友と提携することにした。大日本住友は中長期的な売上貢献と、販売中の経口血糖降下薬とのシナジーが期待できると判断し、トルリシティを販売することにした。大日本住友は現在、ビグアナイド系薬メトグルコや速効型インスリン分泌促進薬シュアポストなどを販売している。
なお、トルリシティの適応症では、インスリン製剤や全ての経口血糖降下薬と併用できる。ただ、添付文書によると、低血糖リスクが増加するおそれがあることから、SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、インスリン製剤を投与中の患者で慎重投与となっている。