米FDA 抗血小板薬・カングレロル PCI施行時の血栓予防で承認
公開日時 2015/06/24 03:50
米食品医薬品局(FDA)は6月22日、抗血小板薬・Kengreal(一般名:カングレロル)静注を経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行時の冠動脈における血小板凝集予防の適応で承認した。
同剤は、血小板表面に発現し血小板凝集を促進するADP(アデノシン二リン酸)受容体のP2Y12に結合し、血小板凝集を抑制することで、効果を発現。PCI施行時における心筋梗塞やステント血栓症を含む重篤な血栓合併症のリスクを軽減する。
安全性・有効性は、1万例以上の患者を登録した、抗血小板剤プラビックス(クロピドグレル)との無作為化二重盲検比較対照臨床第3相試験で検証された。
心筋梗塞の発症や冠動脈の切開(冠動脈バイパス手術)やステント血栓症処置の必要性をクロピドグレルと比較して有意に減少させた。副作用として懸念される重篤な出血は、クロピドグレルで、3.6%、カングレロルでは5.8%だった。
同剤は、米The Medicines Company(本社:ニュージャージー州パーシパニー)が製造する。同社は、7月には同剤の販売を開始する計画。Clive A Meanwell会長兼CEOは、「この画期的薬剤は急性期の施設で、PCI施行患者における血栓リスクを減少させる可能性がある」と述べた。その上で、「本カテーテルラボにおける我々の営業サービスを拡大させることに役立つ」と期待感を示した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のNorman Stockbridge心血管・腎臓薬製品部長は、「PCIを施行する患者にとっては、血栓は重篤な障害を引き起こす可能性がある。新たな治療選択肢を提供することになる」と同剤の登場を歓迎した。
米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国でのPCI施行患者は年間約50万人という。