米FDA リンパ脈管筋腫症初の治療薬・Rapamuneを承認
公開日時 2015/06/04 03:50
米食品医薬品局(FDA)は5月28日、リンパ脈管筋腫症(LAM)初の治療薬となる免疫抑制剤・Rapamune(一般名:シロリムス)を承認した。同剤は、FDAから希少疾病薬と画期的新薬(Breakthrough Therapy)両方の指定を受けた。リンパ脈管筋腫症の治療法が確立されていないことも考慮され、希少疾病薬の安全性および有効性試験実施に補助金が提供されるFDA希少疾病薬助成金プログラム(FDA Orphan Products Grants Program)の対象となった。
有効性・安全性は、89例のリンパ脈管筋腫症患者を対象にプラセボ対照試験で検証され、Rapamune投与群で有意な肺機能の改善が認められた。同剤は、米Wythe Pharmaceuticals(本社:ペンシルバニア州フィラデルフィア、米ファイザー子会社)が製造する。国内では、ノーベルファーマが、リンパ脈管筋腫症の適応で2014年7月4日に承認を取得しており、12月22日から販売されている。なお、同剤は、1999年に腎移植を受けた13歳以上の青少年および成人における拒絶反応抑制の適応で承認されている。
リンパ脈管筋腫症は、肺の進行性疾患で、主に妊娠可能な女性に発症する希少疾患。平滑筋様細胞の異常な増殖により、気道や肺の血管、リンパ管などの組織を侵し、気道閉塞を引き起こす。疾患の罹患率は、米国立医学図書館によると、女性100万人当たり、2~5人とされている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJohn Jenkins新薬部長は、「希少疾病薬の指定と画期的新薬の指定はそれぞれ、これら指定制度がなければ開発されない画期的な治療法をタイムリーに開発できるように、製薬企業に財政的インセンティブとFDAとの相談・アドバイスを提供している」と説明。「これらのプログラムにより、救命につながる薬剤をより早く患者に届けることを可能にしている」と制度のメリットを強調した。