インスリン使用者の3分の1 3か月以内に低血糖経験 医師に話さないケースも多く
公開日時 2015/06/04 03:51
サノフィはこのほど、インスリン使用者の約半数が過去に低血糖を経験し、約3分の1の人が直近3か月以内に低血糖を起こしたとの意識調査結果をまとめた。そして、低血糖経験者のうち、「低血糖が起きたことを必ずしも医師に話さない」との人が4割以上にのぼった。調査を監修した横浜市立大大学院の寺内康夫教授は、「良好な血糖コントロールは今なお、糖尿病治療のアンメットメディカルニーズになっている」とし、低血糖経験者が多く、医師に話さない人も少なくない調査結果であったことから、「実際にはより多くの低血糖経験者がいると推測される」とコメントしている。
調査はインスリン投与患者707人を対象に実施した。内訳は1型糖尿病が76人、2型糖尿病が631人。調査時期は1月10日~19日。方法はインターネットリサーチ。
低血糖の発生頻度を聞いたところ、直近3か月以内に低血糖を起こしたことがある人は33.4%となり、インスリン使用者にとって低血糖が身近な問題であることがうかがえた。基礎インスリン製剤の使用を始めてから今までに低血糖を起こしたことのある人は、日中(午前中~夜)が47.0%、夜間(夜中~早朝まで)が26.6%――だった。インスリン使用者の半数近くが低血糖を経験し、低血糖リスクは日中・夜間を問わず、1日を通じて存在していることがわかる。
そして、これまでに低血糖を起こしたことのある人に、医師に低血糖の発症について話をしたかどうかを聞いたところ、「低血糖を起こしたら診察時に必ず医師に話す」が56.1%にとどまった。残りの43.9%が必ずしも医師に話さない人となるが、その内訳は、▽低血糖を起こしたら通常は医師に話すが、場合によって話さないこともある(30.8%)▽医師に話すことはほとんどない(10.4%)▽医師に話しをしたことはない(2.7%)――となった。同社は、「低血糖について医師も把握していない潜在患者の存在が示唆される」としている。