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独メルクとファイザー 抗PD-L1抗体薬avelumabのグローバルP3 1例目の投与開始 日本人に

公開日時 2015/04/22 03:50

ファイザーと独メルクは4月20日、白金製剤併用療法を受けた後に増悪をきたしたステージIIIb/IV非小細胞肺がん(NSCLC)患者における抗PD-L1抗体薬avelumabの国際共同フェーズ3試験で、第一例目の投与を開始するとともに、この患者は日本人であると発表した。

独メルクで医療用医薬品を手掛けるメルクセローノ日本法人の桂幸一・研究開発統括本部長とファイザー日本法人の原田明久・医薬開発部門長は、同試験は「がん治療に革新をもたらすことが期待されている試験」とした上で、「その試験で、世界最初の患者組み入れを日本が達成したことで、日本における革新的な医薬品開発がさらに加速されることと思う」との共同コメントを出した。

同試験は1対1無作為化非盲検多施設共同臨床試験。対象のステージIIIb/IVNSCLC患者は、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の発現状態にかかわらず、avelumabまたはドセタキセルの投与を受ける。北米、南米、欧州、アジア、アフリカの30か国以上、290の試験施設から約650人の被験者が参加する予定。主要評価項目は白金製剤併用療法後に増悪をきたしたPD-L1陽性のステージIIIb/IVNSCLC患者の全生存期間。副次的評価項目はPD-L1の状態にかかわらず、同試験の全母集団について評価を行い、全生存期間、奏効率、無増悪生存期間に、患者報告に基づくアウトカムを含む。

avelumabは独メルクが創製・開発していたが、2014年11月にファイザーと共同開発・共同販売する戦略的提携の締結を発表した。avelumabは抗PD-L1モノクローナル抗体で、PD-L1の相互作用を抑制することで、T細胞と適応免疫系の活性化を可能にすると考えられている。Fc領域を維持することにより、avelumabは自然免疫系に働きかけ、抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC)を誘発すると考えられている。

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