MSDとアステラス 経口血糖降下薬のジャヌビアとスーグラの合剤 共同開発・販売で基本合意
公開日時 2015/04/16 03:52
MSDとアステラス製薬は4月15日、MSDが製造販売しているDPP-4阻害薬ジャヌビア(一般名:シタグリプチン)と、アステラスが製造販売しているSGLT2阻害薬スーグラ(同イプラグリフロジン)の配合剤を日本で共同開発・販売することで基本合意したと発表した。これから合意内容に沿って開発するが、開発スケジュールは開示していない。共同販売の具体的なスキームは今後詰める。なお、スーグラは両社でコ・プロモーションしている。
両剤ともファーストインクラスの経口2型糖尿病治療薬で、いずれのクラスでも数量・売上ともトップ製品。両剤とも1日1回投与。ジャヌビアは選択的にDPP-4を阻害し、活性型インクレチンを増加させることで血糖依存的な血糖値低下作用を示す。スーグラは選択的にSGLT2を阻害し、腎臓でのブドウ糖再取り込みを抑制することで血糖値を下げる。
両社は今回、単剤療法で血糖コントロールが難しい2型糖尿病治療の現状を踏まえ、「(今回の配合剤が)将来的に2型糖尿病治療における新たな選択肢を提供し、これまで以上に糖尿病治療に貢献できるものと期待している」とコメントした。
なお、DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬による配合剤は、日本で、田辺三菱製薬がテネリグリプチン(製品名テネリア)とカナグリフロジン(同カナグル)を含有する「MT-2412」としてフェーズ3を行っている。また、武田薬品とサノフィは14年6月に発表した糖尿病領域における協力体制構築に関する契約締結の中で、「トホグリフロジン(製品名アプルウェイ)とアログリプチン(同ネシーナ)の合剤の共同開発の検討を開始する」と公表している。
海外では、MSD親会社の米メルクと、米ファイザーが、メルクのシタグリプチンとファイザーが開発中のertugliflozinの合剤を開発する方向を示している。この合剤開発に日本は含まれない。