アステラス製薬 23年度予想を下方修正 純利益97%減 遺伝子治療プログラムなどで減損損失
公開日時 2024/04/15 04:53
アステラス製薬は4月12日、研究開発中の遺伝子治療プログラム「AT808」に関する無形資産の減損損失の計上などにより、2023年度第4四半期に「その他の費用」として約700億円を計上すると発表した。これにより23年度通期予想を下方修正し、親会社帰属純利益は前期比97%減の30億円になる見込みだとしている。
AT808は希少疾患のフリードライヒ運動失調症患者を対象として研究開発している遺伝子治療プログラム。資産価値の見直しを行った結果、AT808に関する無形資産の減損損失約400億円を計上する。また、日本や欧州で販売中の腎性貧血治療薬・エベレンゾについて、各国での販売状況を勘案して将来計画の見直しを行った結果、同剤の無形資産の減損損失約160億円を計上する。
さらに抗Claudin18.2モノクローナル抗体・ゾルベツキシマブについて、膵臓腺がんの開発計画の更新および為替レートの変動により、条件付対価に関わる公正価値変動額約80億円も「その他の費用」に計上する。
修正後の23年度通期予想は、営業利益は直近の予想から700億円減となる130億円(前年度実績比90.2%減)、親会社帰属純利益は同550億円減となる30億円(97.0%減)――。売上収益は直近の予想を据え置き1兆5620億円(2.9%増)とした。