米FDA 薬物乱用防止装置つきオピオイド開発ガイダンスを発行
公開日時 2015/04/07 03:50
米食品医薬品局(FDA)は4月1日、製薬企業向けに薬物乱用防止装置つきのオピオイド製剤の開発ガイダンスを公表した。オピオイド製剤は、適切な使用をすれば、患者の疼痛緩和に大きなベネフィットをもたらすが、誤使用や乱用は耽溺や死を招来するリスクをもっている。乱用者は、錠剤などを破砕、粉末にして吸入、あるいは粉末を溶解し注射などを行っているのが現状だ。このため、FDAは、乱用を防止する装置つきの薬剤開発を製薬企業に促している。
「業界向けガイダンス:乱用防止オピオイド‐評価とラベリング」と題されたガイダンスは、薬剤が乱用防止について特徴を有すことを示す臨床試験の実施方法や承認ラベルのあり方などについて、FDAの現在の考え方を説明している。
FDAのMargaret A Hamburg長官は、「薬物乱用防止の科学については急速に進化している。FDAは、製薬企業がオピオイドを必要とする患者が適正に(乱用防止装置つきの薬剤を)利用できるよう手助けすることに熱心に取り組んでいる」と述べた。また、「我々はこれがオピオイド乱用と闘うための重要な道具と感じている。我々は、今後も、乱用しにくく、効果のある新剤型の開発をするよう製薬企業に協力していく所存だ」と乱用防止オピオイド製剤の開発に関与していく意欲を示した。
米国では、オピオイドの乱用が大きな社会問題となっているだけに、FDAのガイダンスへの期待は大きく、Janet Woodcock医薬品評価研究センター(CDER)長も、「乱用防止製品の開発は、FDAの優先課題の1つである。我々は、このガイダンスにより意義ある乱用防止装置つき製品が多数承認されることを望んでいる。乱用防止剤型は、オピオイドの乱用を全くなくすものではなく、過量投与や死亡を完全に防止できるものではないが、誤使用と乱用を減らす努力の重要な一環である」と今回のガイダンスの意義を語った。
FDAは2014年10月30、31日には最終ガイダンス案についての公聴会を開催するなどして意見募集を行い、その後の検討を経て、今回最終ガイダンスをまとめた。