OAB治療薬市場 泌尿器科受診の3人に1人にベタニス使用 世代交代の様相
公開日時 2015/03/12 03:52
近年、新薬が相次ぎ登場している過活動膀胱(OAB)治療薬。専門診療科である泌尿器科では、2011年に登場した新規機序のβ3受容体作動薬ミラベグロン(一般名、製品名ベタニス、アステラス製薬)が14年に処方患者数ベースでシェアトップとなり、直近では患者の3人に1人に処方されていることがわかった。06年に国内初のOAB治療薬として登場し、長くシェアトップの座にあった抗コリン薬ソリフェナシン(同ベシケア、アステラス)との処方シェアが開く一方であることも確認された。
これは調剤薬局における調剤レセプトベースで実際の処方状況を把握・分析する医療情報総合研究所(JMIRI)のデータをもとに分析したもの。
泌尿器科でのOAB治療薬の処方状況を見てみると、14年12月時点での処方患者数の上位3成分は、ミラベグロン(処方患者数シェア33%)、ソリフェナシン(26%)、抗コリン薬イミダフェナシン(16%、製品名ウリトス/ステーブラ、杏林製薬/小野薬品)――となる。ミラベグロンとソリフェナシンのシェアは14年初頭でほぼ同じになり、その後、ミラベグロンは変わらず右肩上がり、ソリフェナシンは右肩下がりに推移している。
これらに次ぐシェア4番手は13年に登場した抗コリン薬の新薬フェソテロジン(製品名トビエース、ファイザー)で、そのシェアは11%。フェソテロジンと前述のミラベグロンだけが右肩上がりにシェアを伸ばしており、新薬は伸長、その他は減少という世代交代をうかがわせる。
なお、全診療科での処方動向を見てみると、ソリフェナシンがシェア31%とトップを維持している。ただ、ソリフェナシンは14年に入ってから処方シェアが横ばいから下がり気味に推移し、現在シェア2位で勢いのあるミラベグロンが21%と、その差は10ポイントまで近づいていることもわかった。
詳細は、ミクス3月号の連載「医師の処方動向をよむ」に掲載している。ミクスOnlineでは、こちらから閲覧できる(有料会員限定)。